角膜を傷から守るセルフケア方法
(目をいたわるVDT作業・入浴)や
角膜の傷を修復する成分が
入った目薬は?
角膜を守るためには、どのようなセルフケアを行えばよいのでしょうか。この記事では、角膜に傷がつく原因や角膜の傷が引き起こす目の不調、日常生活の中でできる角膜のケア方法について解説します。
01 角膜に傷がつくのはなぜ?
ものを見るレンズ機能や、異物から目を守るバリア機能として重要な役割を果たしている角膜。どんなことが原因で傷がつくのかをみていきましょう。
角膜に傷がつく原因
角膜は、目をぶつけた時などの外傷はもちろん、花粉やPM2.5などの目に入った異物やコンタクトレンズの装用、強い光線などが原因で傷がつくことがあります。角膜は少しの刺激で傷がつきやすいとてもデリケートな組織です。
また、角膜に傷がつく原因の一番は、ドライアイ(または目が乾くこと)です。近年、角膜に傷がついて目にトラブルを抱えている人が増えているのは、次のような生活環境やライフスタイルによる影響といわれています。
パソコン・スマートフォン・タブレットの使用
パソコンやスマートフォンの普及によって、画面を見ることが私たちの日常になりました。さらに、テレワークが広まったことで1日の多くの時間をVDT(Visual Display Terminals)作業に費やす人が増え、仕事でもプライベートでもディスプレイを見る時間が長くなったという人は多いのではないでしょうか。
画面を見ている時はまばたきの回数が通常の1/4程度に減り、目が乾燥しやすくなります。涙の量が減ることによって、角膜が乾き傷つきやすくなっているのです。さらに、長時間に渡ってVDT作業をしていると、涙の分泌自体が減るともいわれています。
コンタクトレンズ
コンタクトレンズを装用している人は、ドライアイ(目の乾き)になりやすい傾向があります。さらに「空気の乾燥した場所でコンタクトレンズを装用してパソコンを見る」といった過酷な環境に置かれている人も増えており、これが角膜ダメージの要因のひとつになっています。
マスクドライアイ
マスクドライアイとは、マスクの上部からもれた息が目に当たり、それによって目の水分が蒸発して目が乾燥するというもの。2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大予防でマスクを使用するのが日常になり、マスクドライアイに悩まされる人が出現しています。目が乾燥した状態でまばたきをすることで、角膜に傷がつくリスクが高まります。
目薬の使い過ぎ
目薬は過剰に使ってしまうと角膜を傷つける可能性があるということは、あまり知られていません。目の症状(目の疲れ・かすみ。充血など)をケアするはずの目薬も、使い方を誤ると悪影響を及ぼすものになってしまうため、目薬は用法・用量を守って正しく使用することが大事です。
02 傷つきやすい角膜をケアする方法
角膜は傷がつきやすいため、日頃から角膜のケアを心がけましょう。具体的にどんなことに気をつければいいかをご紹介します。
パソコンなどの使用環境を整える
パソコンやスマートフォン、タブレット端末などデバイスは、目に負担がかかりにくいように使いましょう。パソコンのモニターは、少し見下ろすような位置に置くのがおすすめです。部屋の照明を明るくし、モニターは目に負担のない明るさに調整しましょう。
また、目の疲れを軽減するために、VDT作業は1時間ごとを目安に休憩をとって目を休めながら行うのがおすすめです。窓の外を見る、1m以上遠くを見る、目を閉じるなど、定期的に目を休めてください。
入浴で涙の状態を整える
角膜をダメージから守るためには、涙の状態を整えることが大切です。入浴によって自律神経を整えて心身をリラックスさせ、さらに目を温めることで、涙がしっかり分泌されて目の潤いが安定します。
角膜修復成分配合の目薬を使用する
目の疲れが気になる時は、角膜修復成分が配合された目薬を使用するのもおすすめです。
角膜の一番外側にある角膜上皮は通常5~7日ほどで新しい細胞に生まれ変わります。これをターンオーバーと呼びます。ターンオーバーが乱れると角膜の傷の修復が追い付かず、目の疲れなどの目の不快症状が引き起こされます。
角膜修復成分が配合された目薬を使用することで、ターンオーバーを正常にすることができます。
03 角膜の傷にやさしい目薬の使い
角膜修復成分配合の目薬を使えば角膜の傷を修復するためのターンオーバー力を高める助けになります。ここでは、目薬を使う際の注意点をみていきましょう。
目薬の正しいさし方
目薬をさした直後にまばたきをすると、涙が分泌されて目薬の成分が流れ出てしまいます。目に有効成分を浸透させるために、目薬は正しく使用しましょう。
目薬をさすタイミング
角膜には、角膜修復成分が配合された目薬がおすすめです。
目の乾きを感じやすいタイミング
不調がつづく場合は眼科へ
記事監修:東邦大学医療センター 大森病院
眼科 教授 診療部長/堀 裕一 先生