角膜に傷がついたら
目は、人が生きていくうえで非常に重要な働きをしています。目には、ものを見て認識するだけでなく、光を取り入れて体内時計や体のリズムを調整したり、脳のセンサーとしての役割を果たしたりと、様々な機能があるのをご存知でしょうか。
近年、パソコンの使用、スマートフォン・タブレットの普及や日常生活の変化にともなって目を酷使する機会が増え、目の疲れ・目が乾く・視界がかすむ、目が充血するなどの症状を引き起こすケースが増えてきました。目の不快症状の原因のひとつとして、角膜の傷が考えられます。
この記事では、角膜の傷(角膜ダメージ)の原因、角膜の傷が引き起こす症状、そして角膜のケア方法についてご紹介します。大切な目を守るためにぜひチェックしてみてください。
01 知っておきたい角膜の働き
※イメージ
角膜は、黒目の部分の外側にある直径1.2cm、厚さ0.5mm程度の小さな組織で、目がものを捉える際にレンズとして機能するほか、異物が入ってこないようにバリアする機能があります。
角膜は5層構造になっており、一番外側に厚さ0.05mmの角膜上皮とよばれる層があります。この角膜上皮は傷つきやすいデリケートな組織ですが、傷を自己修復する機能を備えており、ダメージを受けた時には速やかにその傷を修復し目を守ります。
角膜上皮の細胞は新陳代謝が非常に活発で、通常5~7日ほどで新しい細胞に生まれ変わります(ターンオーバー)。しかし、スマホやパソコンなどの長時間作業によって目を酷使していると、ターンオーバーが乱れたり、修復が追いつかないほどのダメージを受けたりした場合、目の疲れ・目のかすみ・充血などの不調を引き起こすことがあるのです。
※イメージ
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角膜は5層構造になっており、一番外側に厚さ0.05mmの角膜上皮とよばれる層があります。この角膜上皮は傷つきやすいデリケートな組織ですが、傷を自己修復する機能を備えており、ダメージを受けた時には速やかにその傷を修復し目を守ります。
角膜上皮の細胞は新陳代謝が非常に活発で、通常5~7日ほどで新しい細胞に生まれ変わります(ターンオーバー)。しかし、スマホやパソコンなどの長時間作業によって目を酷使していると、ターンオーバーが乱れたり、修復が追いつかないほどのダメージを受けたりした場合、目の疲れ・目のかすみ・充血などの不調を引き起こすことがあるのです。
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02
現代人は角膜に
傷がつきやすい?
角膜ダメージの原因とは?
仕事中は長時間パソコンの画面と向き合い、通勤時間はスマートフォンでニュースを読んだり、空き時間でゲームやSNSを楽しんだりと、毎日画面を見て過ごしている人も多いのではないでしょうか。このように、私たちは日常生活において目を酷使しています。まばたきをせずに画面を凝視しているだけでも、角膜が知らず知らずのうちにダメージを受けている恐れがあるのです。
角膜の傷とは
角膜の表面にある角膜上皮は、常になめらかな状態に保たれています。しかし、目が乾いた状態でまばたきをすることで、表面の細胞がはがれてしまうことがあります。この細胞がはがれた部分が「角膜の傷」です。
傷ついた角膜上皮は、本来であれば自身の修復機能によって再生されます。しかし、現代のデジタル社会では目を酷使する機会が多く、ダメージが大きいと修復が追いつかなくなり、目が疲れる・かすむ・充血するといった症状があらわれるため注意が必要です。
では、角膜はどのような原因でダメージを受けるのかをみていきましょう。
角膜ダメージの原因は?
角膜ダメージの原因として挙げられるのが、パソコンやスマートフォン・タブレットを使ったVDT(Visual Display Terminals)作業です。
角膜の表面は、涙で覆われています。涙は目をうるおすだけでなく、目に栄養を届け、細菌の侵入を防ぐ役割を担っています。VDT作業中は、まばたきの回数が通常の1/4程度まで減り、涙が蒸発しやすい状態です。このように目が乾燥した状態で、まばたきをするだけでもまぶたとの摩擦により、角膜がダメージを受けてしまいます。また、涙の量が足りないために目に入った異物を流すことができず、その異物によって角膜を傷つけてしまうことも起こりえます。
特に、仕事や趣味などで細かい作業を行う人や、コンタクトレンズを装用している人は、目の乾燥によって角膜にダメージを受けやすい傾向があります。「ただ目が疲れているだけ」「目がかすむだけ」と思っていたら、実は角膜に傷がついていた、ということもあるのです。
03 角膜の傷による様々な症状
角膜に傷があると、どのような症状があらわれるのでしょうか。「傷」というと痛みを連想しますが、それだけではありません。角膜の傷が引き起こす症状には次のような症状があります。
<角膜の傷が引き起こす症状例>
- ・目が疲れる
- ・目がかすむ
- ・目が乾いてショボショボする
- ・目が充血する
- ・目がゴロゴロする
- ・目が重たい感じがする
など
日常生活では角膜に傷がついていることに気づきにくいですが、小さな傷を放置すると角膜びらん・角膜炎・角膜感染症など深刻な目の病気につながることもあります。目に違和感や不調があれば、必ず眼科で診察を受けましょう。
04 角膜の傷から起きる目の病気
角膜の病気は、角膜上皮の傷が原因で起きることが多くあります。
角膜の傷によって起こる目の病気は以下になります。
角膜びらん
深く傷つくと症状が再発しやすくなり「再発性角膜びらん」に発展する場合もあります。
原因
多くの原因は、目のこすり過ぎや異物が入るなど、日常生活の中で角膜上皮が傷ついて起こる外傷性によるものです。傷の悪化により角膜上皮の再生修復が追いつかなくなります。このほかにも、糖尿病や角膜ジストロフィーなどの内的な要因でも起こるケースがあります。
症状
目の痛みや充血、ゴロゴロ感、涙が止まらない
治療法
角膜を保護する成分が入った目薬や眼軟膏、感染予防のための抗生点眼薬で治療します。
感染性角膜炎
角膜が細菌やウイルスに感染し炎症を起こす病気です。前述した通り、角膜は異物の侵入(細菌やアメーバ)を防ぐバリアとして機能しています。しかし、角膜上皮に傷が生じている場合、そこから細菌などが侵入してしまいます。重症になると、角膜穿孔や眼球勞(がんきゅうろう)、失明する恐れもあります。
原因
角膜の傷によってバリア機能が低下していると細菌などに感染しやすくなります。コンタクトレンズ装用者や目の疾患、外傷歴がある場合は発症リスクがあります。
症状
目の痛み、目の充血、目のゴロゴロ、黒目が白くなる など
治療法
細菌の種類に応じた抗菌点眼薬や眼軟膏で治療します。
上記はあくまで一般的な内容となり、症状によっては他の治療が必要になるケースもあります。症状が気になる方は病院を受診の上、医師に相談してください。
小さな傷からでも放置しておくと、傷の悪化や細菌への感染を起こす可能性があります。角膜の傷は、悪化する前にしっかりとケアすることが大切です。
05 角膜を傷つけないための注意点
角膜を傷つけないために、次の2点には注意しましょう。
コンタクトレンズを装着しない
目の不快症状があるときは、角膜に傷がついている可能性もあるため、コンタクトレンズの装用を控えましょう。コンタクトレンズの装用中は目が乾燥しやすくなり、細菌などが涙と一緒にうまく流れ出ないことがあります。目に残った細菌が角膜の傷から入り込みやすいため、角膜の傷が修復されてからコンタクトレンズの装着を再開することをおすすめします。
目薬を正しく使用する
目が疲れる・かすむ・乾く・充血するなどの不調を感じる時に目薬を使用する人も多いでしょう。しかし、使い方を誤ると角膜のダメージが悪化してしまう可能性があるため、目の不調を感じる時には目薬の選び方と使用法に気をつけてください。
また、目薬の使い過ぎにも注意が必要です。目の乾きや違和感などが気になる時には何度も目薬をさしたくなってしまいますが、正しい用法・用量を超えて使用すると逆に角膜に傷をつけてしまうことがあります。目薬は、箱や説明書に書かれている用法・用量を守って使いましょう。
目薬の正しいさし方は次の記事で詳しく解説しています。
⇒目薬の正しいさし方は?間違ったさし方に要注意
06
今すぐ実践!
自分でできる
角膜ダメージのケア方法
角膜のダメージを最低限に抑え悪化させないために、角膜ケアの方法を知り、生活に取り入れましょう。次に今日からできる角膜ケア方法をご紹介します。
意識的にまばたきをする
パソコンやスマートフォンの画面を見ている時は、まばたきの回数が通常より少なくなっています。まばたきが減ると涙の量が減り、角膜が乾燥してダメージを受けやすいため、意識してまばたきをおこなうことで、角膜の表面を覆っている涙の量を安定させましょう。
目の周りをあたためる
スマホやパソコンを長時間使用している時や、目の疲れを感じた時に、目の周りのツボマッサージをしたり、目をあたためたりするのもおすすめです。セルフケアで目の周りの血流を促進し、角膜のターンオーバー力を改善しましょう。
角膜を助ける成分が
配合された目薬を使う
角膜も肌と同じようにターンオーバーをして新しい細胞に入れ替わります。夜更かしなどで生活が乱れると角膜のターンオーバーも乱れ、目が疲れる・かすむといった不快症状を引き起こすことも。特にスマホやパソコンを長時間眺める人は、細胞の生まれ変わりを助ける成分が配合された目薬を使いましょう。
記事監修:東邦大学医療センター 大森病院
眼科 教授 診療部長/堀 裕一 先生
あなたの角膜の
状態をチェック!
様々な目の不快症状、
実は角膜の傷が原因かも…。
次のチェックリストで角膜の
傷リスクをチェックしてみましょう。
この記事は医師の監修による
角膜の傷の解説であり、
目に不快症状がある場合は
眼科医に診てもらうことをおすすめします。
- 1日5時間以上、テレビ・パソコン・スマートフォンなどの画面をみている
- 1日中、目がゴロゴロする
- 目を10秒以上あけていられない
- 目が痛くなることがある
- 常に目が乾いてショボショボする
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製品紹介
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